2007年12月02日

格物致知 かくぶつちち

ある、建設業者向けコンサルタント会社のメルマガを購読しています。
その中でいろんな事を考えさせられる記事が載っていたので、紹介します。

以下原文のまま(文字色の違う部分)

■生涯を小中学校の教育に捧げた東井義雄先生のお話をご紹介します。

『ある高校で夏休みに水泳大会が開かれた。
種目にクラス対抗リレーがあり,各クラスから選ばれた代表が出場した。

その中に小児マヒで足が不自由なA子さんの姿があった。
からかい半分で選ばれたのである。
だが,A子さんはクラス代表の役を降りず,
水泳大会に出場し,懸命に自分のコースを泳いだ。
その泳ぎ方がぎこちないと,プールサイドの生徒たちは笑い,野次った。

その時,背広姿のままプールに飛び込んだ人がいた。
校長先生である。
校長先生は懸命に泳ぐA子さんのそばで,「頑張れ」「頑張れ」と
声援を送った。
その姿にいつしか,生徒たちも粛然となった。』

(月刊致知 2007年12月号より抜粋)

■私はこの話を読んで,涙が止まりませんでした。

もしも,私がA子さんの立場であれば,からかい半分で代表に
選ばれたことがわかっているのですから,代表になることを
拒否したことでしょう。
しかし,A子さんは,そこから逃げずに,このことをチャンス,
ご縁ととらえ,ぶつかっていきました。

■また,私がこの校長先生だったらどうだったでしょう。
生徒たちと一緒になって笑うことはないとしても,
笑う生徒たちに
「笑ってはいけません」
と注意することがせいぜいだったと思います。

しかし,校長先生は,背広姿でプールに飛び込み
A子さんに「頑張れ」と声をかけ,
その姿を見せることでにより,多くの生徒に真の教育をしたのです

■「格物致知」ということばがあります。
四字熟語辞典(学研)によるとその意味は次の通りです。

「事物の本質を究めて知識を深めること」

直訳すると,
「物にぶつかることではじめて,知にいたることができる。」
という風に私は理解しています。

■A子さんは,逃げずにプールで泳ぐことで,
自分自身を鍛えることができたわけですし。
校長先生は,背広で飛び込むことで,多くの生徒に
忘れえぬ体験をさせることができました。

物にぶつかることの重要性を痛感します。

■リーダーには2つのタイプがあります。
一つは後方に陣取り,前線の戦況を眺めながら指揮を執るリーダーです。
もう一つは,自分自身も刀を抜き,最前線で突進していくリーダーです。

西郷隆盛はその著「南洲翁遺訓」にて次のように言っています。

「万民の上に位する者,己を慎み,品行を正しくし,驕奢を戒め,
節倹を勉め,職時に勤労して人民の標準となり,
下民その勤労を気の毒に思う様でならでは,令は行われ難し」

(多くの国民の上に立つ者は,いつも心を慎み,行いを正しくし,
驕りや贅沢を戒め,無駄を省いてつつましくすることに努め
仕事に励んで人々の手本になり,一般国民が
その仕事ぶりや生活を気の毒に思うくらいでなければ,
政府の命令は行われにくい)

■最前線に陣取るべきリーダーの心構えとして胸にせまります。


ここまで

最後はリーダーとしてこうあるべきだとして、締めくくっていますが、
エピソードとして出された水泳大会の話の方に感動し、東野先生を調べてみました。
やはり、教育者としてや詩人としていろいろ足跡を残されている方のようです。
世の中ホントその業績に対し、知られていない人が多いです。
不勉強を痛感します。
その先生が語った中でも気に入った言葉を。

亀は兎になれない。
しかしそのつもりになって努力すれば
日本一の亀になれる。
君は 君をりっぱにする
世界でただ一人の責任者なんだね。

格物致知 かくぶつちち

 他でもない、自分が責任者 重い言葉ですね


タグ :責任仕事

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Posted by kobay at 13:02│Comments(0)なるほど
 
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